き、きすして、くちびるを離した。 ななの顔を見ると、すごくまっかで、泣きそうで、 自分からしたのに、すげーはずかった。 したいと思ったからしたのに、とてもいけないことをしてしまったと感じた。 ごめんと小さくつぶやいて離れようとしたら、俺が握っていた手を、握り返された。 「……」 ななはまたうつむいてしまう。 彼女からの接触に動揺したけど、俺はそれがななの精一杯の意思表示だってわかった。 嫌じゃないよって、いってくれてるんだよ、な? おくてで、すごく消極的なななが指絡めてきたんだ。 俺、ちゃんと答えたい。 でも、どうすればいい? おれ、どうやってお前に答えればいい? このまま抱きしめたらいけないことしてしまいそうなんだけど。 ななは、それさえもゆるしてくれるのか? 「・・・はないくん、好き」 きゅ、といっそう強く握られた手に、心臓が出るかと思った。 ななの手を握り返して、俺はもいっかいきすした。 さっきのくっつけるだけのやつじゃなくて、ちょっと噛み付くようなやつ。 ななは身を引いたけど、腕をまわして逃げられないようにした。 ぅ、ん。ともれるななの声に鳥肌がたちそうで、 とゆうか自分が壊れそうで必死でなにかに抵抗した。 でもそんなの、今必要なんだろうか? さっきのななの言葉を頭で何度も反復すると、体が勝手に動くような感覚になった。 唇を離して、しっとりしたななの頬を指で撫でて、ワンピースの裾からゆっくり、ゆっくり手を差し入れる。 ななの意識は朦朧としているのか、ぜんぜん抵抗してこない。 だ、大丈夫か? 「は、はぁ」 俺も、お前の声にめまいします。 ななの手が俺の肩に添えられて、あ、押し返される、と思って硬直したら、ちいさな手は俺のシャツを握った。 スカートから手を出して、抱きしめた。 そのまま床に手をついて、ななを寝かせる。 「はない、く」 か、かわいい・・・。(なんなんだこの生き物は!) 声でないように口押さえて、必死に俺の肩につかまるなな。 だめだろそんな顔したら。 いけんだろそんな目で。 おまえ、おれを、どうしたいんだ。 (俺はお前をどうしたいんだ) |