振り

□あふれる
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き、きすして、くちびるを離した。


ななの顔を見ると、すごくまっかで、泣きそうで、
自分からしたのに、すげーはずかった。
したいと思ったからしたのに、とてもいけないことをしてしまったと感じた。

ごめんと小さくつぶやいて離れようとしたら、俺が握っていた手を、握り返された。


「……」


ななはまたうつむいてしまう。
彼女からの接触に動揺したけど、俺はそれがななの精一杯の意思表示だってわかった。

嫌じゃないよって、いってくれてるんだよ、な?

おくてで、すごく消極的なななが指絡めてきたんだ。
俺、ちゃんと答えたい。

でも、どうすればいい?
おれ、どうやってお前に答えればいい?
このまま抱きしめたらいけないことしてしまいそうなんだけど。
ななは、それさえもゆるしてくれるのか?



「・・・はないくん、好き」



きゅ、といっそう強く握られた手に、心臓が出るかと思った。





ななの手を握り返して、俺はもいっかいきすした。
さっきのくっつけるだけのやつじゃなくて、ちょっと噛み付くようなやつ。
ななは身を引いたけど、腕をまわして逃げられないようにした。


ぅ、ん。ともれるななの声に鳥肌がたちそうで、
とゆうか自分が壊れそうで必死でなにかに抵抗した。

でもそんなの、今必要なんだろうか?

さっきのななの言葉を頭で何度も反復すると、体が勝手に動くような感覚になった。
唇を離して、しっとりしたななの頬を指で撫でて、ワンピースの裾からゆっくり、ゆっくり手を差し入れる。
ななの意識は朦朧としているのか、ぜんぜん抵抗してこない。
だ、大丈夫か?


「は、はぁ」


俺も、お前の声にめまいします。

ななの手が俺の肩に添えられて、あ、押し返される、と思って硬直したら、ちいさな手は俺のシャツを握った。
スカートから手を出して、抱きしめた。
そのまま床に手をついて、ななを寝かせる。



「はない、く」



か、かわいい・・・。(なんなんだこの生き物は!)

声でないように口押さえて、必死に俺の肩につかまるなな。

だめだろそんな顔したら。
いけんだろそんな目で。

おまえ、おれを、どうしたいんだ。



(俺はお前をどうしたいんだ)




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