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□忘れてしまおう
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携帯が私を呼んだ
画面にはあの子の名前

どうしたのかな 携帯を開く
通話ボタン押したら聞こえた

泣くあの子の声が
「別れちゃった」と
彼のこと好きだったんだね


「あなたみたいな良い子と別れるなんて」
「あいつは馬鹿だね」
たくさん泣いていいよ
悲しみはふたりでわけよう

「本当に好きだったの」
「昨日までは隣にいたのに」
辛かったんだね
話を聞くよ



時間がたって
あの子も落ちつき

大丈夫って聞いてみる
かすれた声が聞こえた

受話器のむこうで
「もう大丈夫だよ」と
笑うあなた


笑うことはもちろんいいこと
でも無理してまで笑わないでいいんだよ


「あなたみたいな良い子と別れるなんて」
「あいつは馬鹿だね」
たくさん泣いていいよ
苦しみはふたりでわけよう

「本当に好きだったの」
「昨日までは隣にいたのに」
辛かったんだね
話を聞くよ
私は聞くよ

それであなたが少しでも楽になってくれるなら



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