素敵すぎる頂き物。

□あたしのおばけ。
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好きになった男に、彼女がいたらどうすればいいのだろう。

諦める。嫉妬する。ずっと片思いのまま。奪う。

私がしたことは、彼、新妻エイジの恋人と友達になることだった。


「おはよう」

私が生真面目な生徒会長のように挨拶をすると、新妻エイジとその彼女は、やはり生真面目な副会長みたいに、「おはようございます」と言ってみせる。そして二人は、ニュース番組の挨拶のようだと笑い転げた。

あんまり笑いすぎて二人は咳き込み、それもおかしくてまた笑い転げた。笑っても笑っても笑いはこみあげてきて、興奮した二人はお互いの顔を指差しながら、笑い続けた。

二人の笑い声を聞きながら、私は机に教科書を詰め込んでいく。ぎゅうぎゅうと、もう入らないって分かっていても、隙間に何かを入れようとする。

隣の笑い声が、金平糖のようにぽろぽろとこぼれ落ちていく。少女マンガに出てくる好きと嫌いの愛情物語じゃなくて、二人は子犬がじゃれている感じで、いつだって笑えてる。

だから誰も入れない。
だから壊そうと思った。

それから1ヶ月もしないうちに、新妻エイジと彼女の幼くて、愛らしいささやかなつきあいは幕を閉じた。

私は信じていた。
いつか、新妻エイジは気づくのだと。
そこら辺に落っこちてるラブソングやドラマに、引っかからない私に。私に。私に。

新妻エイジが最後に学校へ来た日。
文庫本から目を離さない私に、「ばいばいです」

声だけが記憶に残っている。それから去り際に、くしゅんくしゅんと大きなくしゃみを二回した。


綺麗な物語はやがて童話になるけれど、私が大切に空きびんに詰め込んだものは、空っぽで。その中には何もない。

だから真っ暗な夜になると、ナイトストーリーのかわりに、昔の私がどうしてどうしてと語りだす。

どうしようもないのに、お終いと語れないお話を私はこれから何回聞けばいいのだろう。


今夜もあたしのおばけを抱いて眠ります。




私の愛人、にこちゃんから頂いてきました。
本当…ドストライクなんスけど。この心臓の痛み、どうしてくれる。
感謝!!!


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