ごちゃまぜ
□先生
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「(あれは…)」
「フレンじゃねぇか」
ユーリの名前を呼んだのはユーリの幼なじみのフレン。
「ユーリ、ダンスの練習はしないの?」
「しないんじゃねぇか?先生がもうお昼寝の時間にするって言ってたぜ?」
「そんな…!」
フレンは小さな体でレイヴンの方へ走ってきた。
「レイヴン先生、どういうことですかっ!!僕、ユーリと一緒に練習できると思って楽しみにしてたんですよ!?」
小さいながらもその迫力にレイヴンはタジタジ。
「ごめんね、フレンくん。でもうちの組の子はなかなか言うこと聞かないから今日は中止にしたのよ」
「……」
レイヴンが説明したのにフレンは何も言わず走って行ってしまった。
「先生、気にすんなよ?フレンはいつもああだから」
心配そうな顔をしてたのかユーリがレイヴンにフォローを入れた。
「ありがとね、ユーリくん」
「…別に」
少し顔を赤くしてユーリは教室へと走って行った。
「(ユーリくんはいつも照れ隠しからか逃げるのよね)」
クスクス笑っているとエステルがレイヴンの手を引っ張る。
「せんせ、私眠いです…」
目を擦りながら眠たそうにしているエステルに笑いかけ、教室へと急いだ。
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「リタちゃん…寝ないの?」
「あたしは眠たくないからご本読むの」
「そ、そう…」
ユーリ、エステル、カロルはすでにぐっすり寝ているのにリタとジュディスは寝ようとしない。
「ジュディスちゃんは…?」
「私はリタが寝ると言ったら寝るわ」
「そ、そっか…」
口ではそう言ってた二人もあれからすぐ寝てしまった。
「こうやって寝ていればみんな可愛いのに…」
全員の寝顔を見ながらレイヴンは呟く。
だがそれも寝ている間だけ…。
「ちょっと、いい加減返しなさ…ぶふっ!!」
「リタ、大丈夫?」
「あたしに投げたのは誰よっ!?」
「投げた、じゃなくてお前が勝手に当たったんじゃねぇの?」
「ユーリ、あんたねっ!!あんたがあたしに投げたんでしょ!?」
このっ!、と枕を投げ返すもユーリはヒョイッと避ける。
「当てられるもんなら当ててみろよ」
ユーリの挑発にリタはまんまとのり、枕投げは激しくなった。
その被害はカロルやエステルにも及ぶ。
「お前ら何やってんだぁ!!」
バンっと音ともにレイヴンが入ってきた。
「「せんせー!!」」
その瞬間、エステルとカロルがレイヴンに抱きつく。
そんな二人を見てキッとユーリとリタの方を見た。
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