ごちゃまぜ
□バレンタイン
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「ユーリもおっさんのこと好きでしょ?」
「なな、なんでそうなるんだよ?」
内心はドキドキで。
でも絶対表に出したくねぇ!
「だって態度がそうじゃない」
態度?
俺、なんかしたか?
考えても思いつかねぇ。
そんな俺を見ていたおっさんはクスクス笑う。
「おっさんが好きとか可愛いとか言うと照れるでしょ?普通の人なら逆に気持ち悪がるじゃない」
「あー…」
なるほどな…、って。
「別に俺はおっさんのこと好きじゃないぞ?嫌い、でもないが」
俯きながらもごもご言う俺は全然男らしくない。
俺はおっさんの前だといつもの俺ではいられないみたいだ…。
「それはつまり…好きってこと?」
ニヤッと笑いながら言ってくるおっさんをムッとした顔で睨んでやった。
「そんな訳ねぇだろ、冗談もほどほどにしろ」
本当は好きだ。
でも簡単には言ってやんない。
俺はそのまま部屋を後にした。
「青年は本当に素直じゃないんだから。あ、でもチョコレート…」
レイヴンはガックリ肩を落として落ち込んだ。
(あの調子じゃくれそうにないわよね…)
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次の日俺はある物を持っておっさんの元へ行く。
「おっさん」
「ん…ふべっ!!?」
振り向くと同時にベシッと顔めがけて投げてやった。
「ちょっと痛い、じゃ…これもしかして?」
そっと投げられた物を拾い俺を見るおっさん。
「おっさんは甘いもの苦手だからわざわざ甘さ控えめにしてやったんだ、感謝しろよ」
赤くなってるであろう顔を見られなくてそっぽを向く。
「ユーリ、大好きっ!!!」
ぎゅうっと抱きついてきたかと思えばそっと頬に軽いキスをされた。
「ばっ…!!調子にのんな、離れろよ!」
俺がおっさんの体をグイグイ押すもビクともしない。
けど俺は押す手を止めた。
おっさんの顔が凄く幸せそうだったから。
あんなチョコ一つでここまで幸せそうにするなんて…変わってやがる。
俺は抵抗するのをやめ自分もおっさんの腰に手を回し抱きついた。
「ユーリ?」
「…」
恥ずかしいから何も言わずにおっさんの胸に顔を埋める。
そんな俺を見てレイヴンが笑った気がした…。
(いつか好きって伝えられるといいな)
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修正したので内容が少し変わってますが許してやってください