ごちゃまぜ

シンデレラ
1ページ/3ページ



「ユーリ、何読んでるんです?」


「んー?よく分からねぇがフレンが面白いからって」


「フレンがですか?」


そう言いながらエステルはユーリの隣に座った。


「私も見ていいです?」


エステルの問いにユーリは笑って、ほらよ、とエステルの膝の上に乗せた。


ありがとうございます、とお礼を言って本を開く。


「……シンデレラ、ですか…」


本を開いて一番に目に飛び込んできたのは「シンデレラ」と言うタイトル。


「(まさかフレンがこんなものを読んでいたなんて…!)」


エステルにはあのフレンがシンデレラを読んでいたことに驚きを隠せなかった。


「そんなん読んであいつ、何が面白いんだろな」


隣にいるユーリが、はぁ、とため息を吐いた。


「(その通りです!フレン、なんでシンデレラなんか…)」


未だ信じられないエステルはギュッと本を握る力を強める。


「…フレンは…、騎士団隊長で、かっこいいのにっ…」


「エステル?どうした…?」


エステルの様子に異変を感じたユーリは声をかける。


しかしユーリの声はエステルに届かない。


「どうしてこんなものをっ!!」


ビリッと音と共に破れていくシンデレラ。


「おっ、おい、エステル!?」


ユーリが慌てて止めようとするも時すでに遅し。


シンデレラはビリビリに破られ無残な姿となった。


「…ふんっ!こんなもの、フレンには似合いません!!」


「……」


無残な姿になったシンデレラに捨て台詞を吐くエステル。


そんなエステルを呆然と見ていたユーリが思ったこと…




「(エステル…こえぇぇ…!!)」




そして怒らすと怖いと言うことを知った。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ