ごちゃまぜ

切ない恋
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「エステリーゼ様…行ってしまうんですね?」


「はい…もう決めましたから」


「エステリーゼ様…」


私の名前を切なそうに、愛しそうに呼ぶあなた。


だからつい本心が出てしまう私。


「…フレン、私やっぱり嫌ですっ!!本当はあなたと離れたくありません!!でも…!」


エステルの目から頬を伝って涙が零れ落ちる。


「エステリーゼ様、これが最後の別れではありません。きっと…きっとまた会えます!!だから泣かないでください」


「フレン…」


微笑みながらエステルの頭を優しく撫でるフレン。


フレン、あなたはその笑顔の裏に何を隠しているんです?


まるで自分の気持ちを隠しているような、我慢しているような…私にはそう見えます。


どうして本当のことを言ってくれないんです?


どうして我慢しようとするんです?


フレン…。


「…フレン、やっぱり私行きたくありません。あなたの傍にいたいです!!私は、あなたの傍にいられればそれだけで、よかっ、た…のに…!」


頑張って涙を止めようとしても反対に溢れてくる。


フレンはエステルの問いには答えようとしなかった。


ただそんなエステルを見つめるばかり。


「…っ、フレン…どうしてです?なんでっ、何も言ってくれないんです?」



涙でグチャグチャになったエステルの顔を見ることはできなかった。


今見てしまえば引き止めてしまう。


自分の腕の中に連れ戻してしまう。


フレンはギュッと拳を握りしめて耐えていた。




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