ごちゃまぜ

素直になれない
1ページ/2ページ



「ねぇ、青年」


「……」


「ユーリ」


「…なんだよ」


ブスッとした顔で振り返ったユーリに苦笑い。


「おっさんが悪かったから機嫌直して?」


顔の前で手を合わせて謝るも、ユーリはプイッとそっぽを向く。


だめだこりゃ。


ユーリの甘いものに対する執着心は感心ものね…。


ユーリが怒った理由はおっさんにあんのよ。


プリンを作ってあげるって約束してたのに急に騎士団の仕事が入っちゃったのよねぇ。


それを伝えに言ってからずっとあの調子。


機嫌直してもらうにはやっぱり甘いものかな…。


スクッと立ち上がったレイヴンをユーリは気配を感じ慌てて振り向く。


「なに?どしたの?」


そんなユーリを驚いた顔で見るレイヴン。


「なっ、なんでもねぇよ」


「そう?」


レイヴンは不思議に思いながらもスタスタ歩いて行く。


「どっ…!!」


「…ど?」


レイヴンはまた振り返る。


するとユーリが立ち上がり困った顔でこちらを見ていた。


「…なんでもない」


そう言って下を向くユーリ。


…ユーリの様子がおかしい。


そわそわしてどうしたんだ?


言いたいことがあるなら言えばいいのに。


仕方ない。


レイヴンはユーリに近付いていった。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ