ごちゃまぜ
□お返し
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「ふんふふ〜ん♪」
「ユーリ、なんかレイヴン凄いご機嫌じゃない?」
隣にいるカロルが小さな声で言ってきた。
「…そうだな」
さっきからずっとあの調子だ。
ニコニコして鼻歌まで歌って。
なんかいいことでもあったのか?
そんな俺達の視線に本人が気付いたのかこちらに走ってきた。
「やぁやぁ、ユーリくんにカロルくん。元気?」
「元気って…さっきからずっと一緒にいるじゃん」
爽やかな笑顔で話しかけてきたレイヴンにカロルは嫌そうな顔で突っ込む。
まぁ俺も突っ込みたかったからカロルの気持ちはよく分かる。
「そりゃそうだけどさ…少年はつれないわね」
落ち込んだ素振りを見せるレイヴンにカロルはため息をついた。
「だいたいなんでそんなにご機嫌なのさ?」
「えー、それは…」
一瞬、ほんの一瞬だけおっさんは俺を見た。
「…?」
なんで俺を見るんだ?
俺、おっさんになんもしてねぇのに。
意味が分からずおっさんを見つめるもレイヴンは既にカロルの方を向いていた。
「おっさんだけの秘密♪」
「「キモ…」」
隣にいるカロルも同じことを思ったみたいで。
見事に声が重なった。
「ちょっと、それは流石に酷すぎ!!おっさん泣いちゃうよ?」
よよよ、と泣き真似までし始めた。
嘘泣きってことぐらいバレバレだっつーの。
「おっさん、いい年して泣き真似とか恥ずかしくないのか?」
「べっつにぃ?誰も見てないもん」
「あーそうか」
チッ、開き直りやがった。
こうなりゃ相手しない方がいいか。
「僕、エステル達のとこ行ってくる」
突然カロルはそんなことを言って走って行ってしまった。
そりゃ逃げたくなるよな。
お前の気持ちはよく分かるぞ、カロル。
さてと…。
カロルがいなくなったからポツンと残された俺とおっさん。
「少年急にどうしたんだろね?」
「おっさんのせいだろ」
なんで自覚ねんだよこのおっさんは。
俺様?とかまったく気付いてる様子もなく問いかけてきた。
「おっさんのテンションが高すぎて気持ち悪いからだろ」
「あー…、って、気持ち悪いはよけいよ、よけい!」
納得したかと思えば怒ってきやがった。
おっさんてよく表情が変わるよなぁ。
俺はボケッとおっさんの顔を見つめていた。
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