ごちゃまぜ

もし入れ替わったら4
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「リタ、元に戻る方法が見つかったって本当です!?」


ドタドタと慌ただしい足音と共にエステルが階段を駆け下りてきた。
泣いてたはずのエステルは漸く自分の体に戻れるのが嬉しいのか、目を輝かせなからリタの肩を掴み揺さぶる。


「え、えぇ。見つかったわ、よ」

「嬢ちゃん、リタっちちゃんと喋れてないでしょ?離してあげなさいって」

「あっ、ごめんなさい、私嬉しくてつい…」


エステルがリタをこれでもかって揺さぶるからおっさんが慌てて止めて。
エステルはリタの肩から手を離してリタに謝る。
それに笑顔で大丈夫よ、なんて言ってるけど揺さぶられてんのにリタもよく舌噛まずに喋れたもんだ。


「それで?どうするの?」

「実はもう準備ばっちりなの。後はユーリとエステル次第よ」

「俺はいつでも大丈夫だぜ」

「私もです!!」


リタが俺とエステルを交互に見てきたから俺は返事を返す。
するとエステルも同じように返事をして。
何故か気合いが入ってんのは気のせいか?


「じゃぁはい、これ」

「…飴?」

「飴玉…ですね」


手渡された物を見て思わず首を傾げてしまった。
隣にいるエステルも不思議そうに首を傾げている。


「そうよ、それ食べてみて?明日にはきっと元に戻ってるはずだから」

「そう言われても…」

「本当に大丈夫なんです?」

「なによ、あたしのことが信じれないわけ?言っとくけどね、必死に探して作って…こっちは徹夜までしたんだからねっ!魔導器が意味ない今となっては危ないことなんてないんだし、体には異常なんてないから安心して」

「ユーリ、どうします?」

「リタがあそこまで言ってんだ、信じるしかないだろ」


不安そうに俺を見てくるエステルとは反対に口を開けて飴玉を放り込む。
そんな俺を見たエステルも不安そうな顔をしたまま、同じように飴玉を口に運んでいた。


「本当に大丈夫かな?」

「フレン、お前まだいたのか?」

「酷い言い方…いたら悪いのかい?」

「別に悪かねぇよ」


ただ、バラしてもあまり意味はなかったなと思い俺はフレン見て苦笑いを浮かべた。


「あの…リタ?この薬の効果はいつ頃から効いてくるんです?」

「さぁ?でも明日には戻れるわよ、きっと。効果は寝てる内に効いてくるんじゃない?それよりあたしは眠いの!部屋に行って寝てくるから起こさないでよ!」


リタはそれだけ言い残しスタスタと自分の部屋に行ってしまった。
心配してんのか心配してないのかよく分かんねぇ奴。


「エステル、リタはああいったんだ、明日には戻ってるだろ」

「もう、ユーリはなんでそんなに落ち着いてるんです?もし…もし戻ってなかったらどうするんですかっ!!」

「んなこと言われても他に方法ないんだったらリタを信じるしかないだろ?」

「それは、そうですけど…」

「まぁまぁ、ここはリタっちを信じて今日はもう寝ましょ?おっさんもう眠いわ」

「僕も…」


レイヴンは欠伸をしていて、隣にいるカロルは目を擦りながら今にも寝てしまいそうだった。


「お前はどうすんだ?」

「え?」

「騎士の仕事ほっぽったままでいいのかよ?」

「それは大丈夫、ソディアに連絡いれといたから今日はここにお世話になるよ」

「あっそ。じゃぁお開きにするか」

「おう!」
「はぁい…」
「うん」
「ええ」


各自それぞれが返事をし自分の部屋に戻っていく中、エステルはぽつんとその場に立ち尽くしたままだった。



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