真(ブック
□痛くされたいんでしょ?
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最近、グロズニィ・グラードの兵士や科学者たちの間で、酷く恐れられていることがある。
それは心霊現象や敵のスパイの存在ではなく、『ライコフ少佐の暴力』だった。
前から暴力やセクハラの多いライコフだったが、今回は前の比にならなかった。
理由はヴォルギン大佐のもう一人の愛人であるタチアナに嫉妬しているから…要するに八つ当たりだ。
全然構ってもらえない!と不機嫌になり手当たり次第に暴力を振るう…しかも大佐にバレないようにしているからたちが悪い。
ライコフなら無理矢理抱いたり抱かせたりしそうなものだが、万が一バレたら取り返しがつかない、と暴力だけにしているらしい。
暴力も駄目だろ、と言いたくなるが、少佐の性癖に付き合わされるよりはまだマシというものだ。我慢するしかない。
そして今日もまた、犠牲者が増えていく。
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