04/27の日記

14:29
春の憂鬱
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大丈夫ですよ

そう言ってニコリ笑うあなたは大人

傷だらけの腕で成し遂げてきたものは何
日常の過酷を平静に受け入れ
落とされる不条理に微笑みを返す緑の兵士

晴天に舞う春の花
いにしえに向かう飛行機の音

歩みと共に軋む床を
若者達が行き過ぎる
校舎を吹き抜く春風は
まるでのどかな昼下がり
束の間見えた安息に
誰もが自由に憧れた


(あの日あなたは大事な人に
短い短い手紙を書いた
長い長い廊下で会った
私に最期の言葉を告げた)

水平線に浮かぶ影
瞬きながら海に消える
突然すぎた「往ってきます」に
私は言葉も失って

晴天の午後
くるくる落ちた春の花
火を噴き墜ちた誰かの命

嘘だ、嘘だと響く声
それは私の叫び声

大丈夫ですよ、大丈夫です
子をあやすように穏やかに
ニコリ微笑むあなたは大人
物分かりのよい姿が悔しくて
子供でありたい私は泣いた

心の隙間は誰にも見せず旅立っていったあの日の午後
戻れはしない空の下で
あなたは何を想っただろう

日差しの中で思い出す
穏やかすぎた春の憂鬱

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