ファンタジスタ

□金魂
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私に落ち度があるとするならば、最初の会見の時にこの男を見抜かなかったことだ。
腑抜けた外貌の奥に住む、鋭い視線が
逃げようとすれば私の腕を絡めとり、隠そうとすれば裏側まで引っぺがされる。
萎びたホスト?とんでもない、コイツはとんだ食わせ者だ。



私は最初それに気がつかなかった。
いや、正しく言えば気がつけなかった。




初めて会ったあの時から私は坂田金時の術中にはまり、そのペースに呑まれてしまっている。
それを自覚したときには既に、私は抜け出せない所にいた。



それでさえ気づけなかったのが、私の落ち度だ。








ファンタジスタ 02
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