ファンタジスタ

□金魂
1ページ/2ページ

睡眠中にもつ幻覚、夢はレム睡眠を背景として睡眠時に周期的に出現する。その思考は非論理的であり、時間的また空間的に制限を受けない。
どっかの学者が言うには、夢と言うのは無意識に抑圧されている願望、欲求、本能が意識的に、また変装して意識に現れたものであるらしい。





―あぁ、だから空想的な願望や実現したい願いもまた夢というのか。まぁどちら
にしても非現実的である。




この街で見る夢は後者、言わば夜中に見る白夢中。
莫大な金が回る中で人々は夢を売り、夢を買う。夢を掴み、夢を壊す。
ようやく掴んだ女神の前髪は、嘲笑うかのように指先をすり抜けていき、寄りかかったのは天使の面を被った悪魔であることも少なくはない。
ただ繰り広げられるのはまやかしの恋遊戯。


その中で溺れたのはいったい誰なのか。
それさえもわからなくなる、まさに魔境。




それが大遊戯場、新宿歌舞伎町。






―それが私の生きる街。







ファンタジスタ 01
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ