SS
□だって
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「ベル、聞いてるのかい?」
「・・・。」
「ベル」
「・・・。」
「ベル!!!」
ベルの耳に世間の音が戻ってきた。
すでに辺りは暗黒の闇と化している。
「あっれ...」
(さっき3時だったよな?)
どうやらベルは、長時間もの間
ロビーのソファで上の空だったらしい。
そしてハッと、“重大なこと”
を思い出す。
(!!)
「マーモン!今何時!?」
「6時半だけど..ていうか僕の話聞いてたのかい?」
あきらかに不機嫌そうな表情を浮かべるマーモンをよそに、
ベルは立ち上がった。
「どこへ行くんだいベル?人の話はちゃんと聞くべきだよ。」
「ししっ、聞かないよ。だって俺おう...」
(...。)
ベルは左右に首を振った。
「...だってアイツのためだから」
「?」
(アイツが帰ってくる!)
(ゔお゙ぉ゙ぃ゙っ帰ったぞぉ!)
おかえり、愛しい君。
―END―