GIVE&TAKE

□V THE SCHOOL LIFE
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家から徒歩15分余りでついてしまう昴が通う県立曉(アキラ)高校は共学の高校だ。頭のレベルで言えば上の中。昴は家から近間の、この学校へ行くため、中学3年になってからは必死に勉強したとかしないとか。

この曉高校、至って普通なのだが何故かお金持ちが多い。片田舎なだけあってなかなか良い学校もないからであろう。近隣の高校では進学率が高いのも理由に挙げられる。





昴が校門をくぐろうとしたまさにその時、

「おはよ」
短い挨拶とともに昴に声をかけてきた女子。
昴の横に並ぶようにして歩く。
彼女、高林遊紀(タカバヤシユウキ)は昴の親友である。セミロングの茶髪にぱっちりとした二重の目、ピンク色をした唇、高過ぎず低過ぎずの鼻など、男子にモテそうな要素が盛りだくさんのルックスの持ち主だ。
しかし、何を隠そう彼女は

「今日から5日間も学校だよ、クソだるい」

相当な毒舌かつ腹黒だ。そんな一面を見せるのは親友の昴の前だけらしく、それがまたタチが悪い。

「数Aの宿題した?」
「勿論。昴もしたよね?やって無くても写させないけど」
「やったよ。朝から写すのもメンドいし」

遊紀はただの毒舌家ではなく、そんじょそこらの腹黒女でもない。やることはきちんとこなす。成績もトップであることもしばしば。髪は染めているが校則で禁止されていない範囲内である。

よって人望もそれなりに厚い。無論“もう一つの顔”は見せてはいないが。












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