短編
□Blue×Green
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『くぅねぇちゃん、あーそーぼ!』
『いいよ〜!なにしてあそぶ?』
『うーんとねぇ、けっこんごっこ!』
『また〜?きのうもやったよー!いっちゃんはけっこんごっこだいすきなんだね』
『うん、おれくぅねぇちゃんとけっこんごっこするのだいすき!』
Blue×Green
家が隣で母親同士の仲が良かった。今でも。
だから私達は必然的に一緒にいることが多くて。
それが当たり前だった。お互い一人っ子だし、樹
(いつき)の家は母子家庭だからよく家で面倒みてた。姉弟のように育った。
「くぅコーラ」
「自分で取ってきてよ!」
…昔は可愛かった。“くぅねぇちゃん”と言って私の後を追いかけてくる1歳年下の樹。
何時からか、“ねぇちゃん”は取れて呼び捨てになり、大してなかった身長差はどんどん広がっていった。
声も、体つきもいつの間にか変わってて、それでも樹はよくウチに来て遊んでる。
「今いいとこなんだよ」
「人ン家でアニメ鑑賞しないでよ…」
「だって俺ン家、アニマッ●ス映んねぇし」
「高1にもなってアニマッ●スってどうなの…」
ソファーで寛ぎながら戦闘系アニメをみてる奴、私の幼馴染みで隣人の樹。16歳。今は親が仕事でいないから遠慮無し。
「くぅも見よ。おもしれぇから」
「私はいいや。宿題あるし。樹見てていいよ。夕飯食べてく?」
「お言葉に甘えて。」
ウチはお父さんとお母さんと3人暮らしで、お母さんは樹大好きだから今でも樹のお母さんが仕事で夕飯作れない時は一緒に食べていったりする。
言ってしまえば、樹にとってウチは第二の我が家だ。
「つ〜か、くぅ勉強教えて。俺も宿題ある」
「いいよ〜、じゃあ私の部屋でする?」
「…うん。」
背もかけっこも、とうの昔に抜かされてしまったけど、勉強だけは勝ってる。年の差あるから当然だけど。
でも自分では頭は悪くない方がだと思う。樹は勉強に関してはからっきしだけど。
「先に部屋行ってて。」
「あぁ」
こういう時は、優越感に浸れる。樹に勝ってるって思う。やっぱり弟分に負けるのって悔しいから。