置き詩板
08/30(Sun) 10:46
sion
「海の七月。」
波が
足もと
で
*
うまれたばかりの波の子らがころころと笑いあう
くるぶしのあたりのこと
ちいさな砂が
星のかたちの足あとをつけながら
ひそやかにのぼってくる
ふくらはぎのこと
わすれてしまうほど
くすぐったいのに
涙しかでないなんて
(それは
(星の砂では
(ありません
*
光の孔雀が羽根をひろげて
ぽうぽうと鳴きながら
うまれてゆく
しんでゆく
を
くりかえす
くりかえしてる
胸のなかから
やわらかな波が
海からはみだして
白い足あとをつけながら
ひきしおを追いかけてゆく
*
いつまでもつめたい水を
見おくっていた
夏のはじまりの灯火にゆれる砂丘の稜線
ここまでが
海で
ここからが
夏で
あいまいにしている
境界線は
水面をすべってゆく
海鳥のたしかな羽毛に白くにじんでゆく
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