仮面の勇者と偽りの反逆者
□序章・死より産まれしモノ
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とある研究施設
そこは、死人が集められた死体焼却場、ここでは死体の腐敗により異臭を放っていた。そして、そこより先からは深い闇しかなく、生物の気配を感じない中で、「ソレ」はいた。
「あ…う…」
ソレは人に似た手足を持ち、人ではない異形の姿で死体の山の中で蠢いていた。異形は死体の山を這いずり、頂上にたどり着くと、上半身を上げ、節足動物のような複眼から赤い涙を流し…
「ゥォォォォォ……」
闇の中で、叫びを上げた。まるで、母の胎内から産まれていく胎児のように…