BOOK2
□本:「螺鈿迷宮」海堂尊
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今回は白鳥・田口コンビシリーズの番外編、終末期医療をテーマとしたメディカルミステリーです。
今までは患者を救う、生きることを中心としてきた話だっただけに、なんだか新鮮。
しかし終末期医療についてはほとんど知識がなかったもので、前二作よりも難しかった
あらすじは...
落ちこぼれ留年医大生天馬大吉は、いつものように小遣い稼ぎのために麻雀に勤しんでいた。
そこにいぃカモを見つけて男に勝負を挑むのだが...
幼なじみの新聞記者別宮葉子に嵌められ、いわくつきの末端医療専門病院、碧翠院桜宮病院への潜入取材をするはめに。
麻雀のカモだった男の部下が、桜宮病院にビジネスに言ったきり、戻って来ないのだという。
ボランティアの医学生として潜り込んだ大吉は嫌々ながらも捜索を開始するが、そこでは異様なほどに人が死んでいく
一体何が起きているのか。
現代の末端医療の現実を切実に訴える切ない物語。
ロジカルモンスター白鳥さんもでるよ
ってね(゜∇゜)
終末期医療とは、末期がんなどにより余命幾許もない患者に残り少ない人生をよりよく過ごしてもらうための医療です。
言葉ではよく見えるものの、この作品に描かれている桜宮病院の現実は、同じ市にある東城大学付属病院で切り捨てられた末期患者の最後の家なのでした。
末端医療は儲からない。
しかも転院してくるのは身寄りのない患者ばかり。
戦時中に建てられたという碧翠院は火葬場としても機能する。
病院のすぐ隣が火葬場って非常に嫌なんですが...
でもこの桜宮病院は頑張ってます。
患者にボランティアとして病院の仕事を手伝わせて充実した毎日を送らせる。
それがいいのか、患者はまるで末期患者を思わせないほどに元気だったのです。