ココロ+声

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まっくら…
つめたくて、さむい


「ぃ………で……」


なんかきこえる
だれのこえ?
でも、わたしはこのこえをしってる


「………だ……………し……」


またちがうひとのこえ
でも、このこえもしってる
いったい、だれなの…?

ここはさむくて、つめたい

まっくらで、こわい

わたしは、こえのするほうにあるきだした


「……じゃ………か?」


すこしずつ、聞こえてくる
ことばにはなってないけど、たしかに誰かがはっしている
なんでだろう……
この声が、とてもだいすきだったような気がする
とても大事だったきがする
とても……
とても…とても……
とても愛しかったきがする


「ふふ、会長は頑張り屋さんですから、私がちゃんと見てなきゃですね」

「アーン?」


これは…私?
でも、会長とこんな会話した記憶がない
……ってことは、あの子?
ここは、あの子の記憶の中ってことかな
あの子の記憶を、こうして夢という形で見てるって感じ…か


「私がちゃんと見張ってなきゃ、仕事も部活もムチャしちゃうんですから
倒れたって聞いて、心配するこっちの身にもなって下さい」

「…悪かった」

「はぁ…別に良いですけどね
ムチャしない会長なんて、会長らしく無いですし」

「……」

「あっ照れてるんですか?」

「照れてねぇ」

「ふふ、そう言う事にしときましょ」


何だかお二人さんの雰囲気が良い感じなんだけど
見てるこっちが恥ずかしいんだけど
盗み見してるみたいで後ろめたいんですけどっ!


「会長も飲みます?」

「あぁ、頼む」


私は紅茶を淹れてる
てか、テーブルの上にあるマフィンが美味しそうなんだけど
誰の?名前ないから食べちゃっても良いの?
あっ食べれるわけないか、夢だし


「御門とも、こーやってゆっくり出来んのも、これで最後だな」

「?どういう事ですか?」

「……婚約者が出来た」

「………………………えっ?」


あっ私とおんなじ反応してる
ビックリした時って、えっしか言えないんじゃないのかな?
でも、私とあの子のえっは何か違う気がする


「家同士が決めたってのはどーでも良いが、相手が小鳥遊家の令嬢らしいからな、こっちからは断れねぇ」

「……………………」

「…こういう時は金持ちがメンドくせぇって心底思うぜ」

「…会長は」

「アーン?」

「会長はそれで良いんですか?
そんな好きでも無い人と結婚とか婚約とか」

「仕方ねぇ
これで跡部が繁栄するんだ
文句なんか言ってる暇はない」

「…そうですか…
私、急用を思い出したので帰りますね、失礼します」


あの子は生徒会室から出て行っちゃった…
てか私も追いかけないとっ!


「…ごめん、梓」


えっ?今名前で呼んだ?
でも、会長はいつも名字で読んでて
何で?何でだろう…




(多分だけど)
(2人は好き同士)
(だったんだろうな)

 

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