幸せ

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「…−と言うわけなんです」


前回、水無さんに嫌い宣言をされたため、只今愛美さんに相談中です


「そうですか…心愛が…」

「私、何か嫌われるような事したのでしょうか?」

「多分、悠莉さんに嫉妬してるのかと」

「…嫉妬?」


嫉妬って、自分の好きな人の気持ちが他の人に向いていて恨んだり、自分よりすぐれている人や恵まれている人をうらやみねたむこと…だよね?
この場合、後者は有り得なさそうだから、前者なんだろうけど…でも、水無さんの好きな人って…誰?


「愛美さん、知ってます?」

「…多分、七海じゃないかと」

「ナナちゃん?」


自分の好きな人の気持ちが他の人に…だから…水無さん→ナナちゃん→私…なのかな?


「心愛は部長である七海に憧れていました」


褒めてもらいたい、認めてもらいたいって気持ちでここまで乗り越えて来たんだと思います
七海もその気持ちは分かってたから、心愛を伸ばすためにいろいろ尽くしてきました
でも、七海の中心はいつも悠莉さんだったから…
心愛は七海の一番になりたいんだと思います
そのためには、悠莉さんが邪魔
だから蹴落とそう…って感じなのかと…と、愛美さんは最後まで苦しい顔で話してくれた


「そうですか…」


私はどうしたら良いのだろう…
ナナちゃんから離れる?
…離れられるの?
いつもナナちゃんを頼って、依存してきた私に、ナナちゃんから離れる…そんな覚悟が出来るの?
分からない、分からないけど多分無理
隣にナナちゃんがいない人生なんて、私に必要無い
明るく笑って私の手を引いてくれる光はナナちゃんしか有り得ない
…こんな気持ち、重い…
ナナちゃんは耐えられるだろうか


「愛美さん、有り難う御座いました」

「少しでもお役に立てたなら、嬉しいです」


それから夜も遅いからって事で寝ることにした
明日は朝早くから朝練する人もいるだろうから、少し早めに起きようかな…




(本当に)
(このままで良いのかな…)

 

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