幸せ

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「悠莉先輩!コッチ来てトランプでもやらないッスかっ!?」


バスに乗って20分くらい経ち、切原さんに誘われた
特にする事もないので、行こうかなって思った時、服の裾を誰かが掴んでる事に気付く


「………」


それはまぁ隣の席にいる仁王さんなわけで、仁王さんに目で何か用か聞いてみても反応が無い…


「…スイマセン、皆さんでやってて下さい」

「えーっ!!」

「スイマセン、また誘って下さい」

「……夜、もー1回やるんで、そん時は来て、ちょっ何すんすか!丸井先輩!」


丸井さんに邪魔されたらしい切原さんが静かになったので立ちかけていた体をイスに戻す(その時仁王さんの手も離れた)


「…赤也達んとこ…行きたかった?」


いきなりの質問で(しかも仁王さんらしからぬ質問だったから)ビックリしたし、質問の意図が読めなくて仁王さんの顔を覗き込むように下から見る
その時の目が悲しそうな、寂しそうな、子供が甘えられなくて困ってる目をしていたので、何だか見てるコッチがそばに居てあげなきゃって思ってしまう
だからだろうか、「別に大丈夫ですよ」って言ってしまったのは(そう言った時の目が嬉しそうだった…)


「ユーリちゃんは何で合宿に来たん?」

「幸村君達に頼まれて」

「ほーか、…ユーリちゃんは昨日眠れた?」

「私は眠れたと思いますよ、仁王さんはどうでした?」

「俺は合宿が楽しみでなかなか眠れなかったけん、ちょっと寝不足なり」

「まぁ…では目的地に着くまで寝てみては?」

「でも、せっかく隣にユーリちゃんがいるんじゃ、まだユーリちゃんと話したい」

「今日から3日間は一緒なのですから、今は寝てはいかがでしょう?お話は夜でも出来ませんか?」

「…ユーリちゃんがそー言うなら今は寝るなり」


そう言って私の肩に頭を乗せるようにして寝てしまった仁王さん(まぁ仁王さんがそれで寝れるなら別に良いけど…)




(仁王さんが気持ちよさそうに)
(眠っているから何だか)
(私まで眠くなっちゃうな…)

 

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