定点観測
◆乗りんさい
夜、ふらふら散歩をする。ウォーキング等というような体育会系な散歩ではなく、日によってはよろよろだらだらしていたり、立ち止まって感慨にふけるような散歩だ。月の頃は毎晩の有り様を見て面白かったが、今はどうも夜明けにならないと出てこないらしい。そのかわり空の色が濃く、星やら飛行機やらがよく見える。
今はまわりに造成中の広場が増えて、空も広々と見渡す事ができる。広々とした空の星を子供のころのように、中学生のころのようにただ口を開けて見上げて立っていると、ふと「早く来ないかなあ」と思う。来そうな方角に少しふらふら歩いて行ってみたりする。
誰に来てほしいのかは色々だ。「先生!」とか言って自転車で追いかけて来る中学生でも良いし、「お、〇〇じゃあや!!」とやたら大きい声を出すハイテンションな教え子のあんちゃんでも良い。「えー、〇〇先生!」とバカみたいに驚いてみせる若いK先生でも良い。
または無言で白い車を止めてニッコリ微笑む顎のしゃくれた大学生でも良い。ミラーがついていないボーボー喧しい単車に乗った髪の長いおねえちゃんでも良い。
つまり「乗りんさい」と言ってくれれば最高である。
自転車でもバイクでも良いが、車ならいにしえの白いローレル、ルーチェ、青いコスモクーペ。
ちなみに母がグループホームの庭に出ては迎えに来ていないか確かめるのも似たような車種だろうと思う。(勿論自転車もサイドカーも。テリオスキッド、黄金色の軽ワゴン、パンダジムニー等色々)
2012/10/15(Mon) 00:15
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