03/08の日記

19:51
さよならテル(この支配からの…?)
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頭が痺れるような長く退屈な卒業式だった。厳粛に、厳粛にとうるさかったのに本番となると保護者が連れてきた子供が走り回る体たらく。厳粛にしたいなら託児ルームを作るとか御子様お断りにするかすれば良いのだ。厳粛を目指すかどうかは別にしても、会場や店内を走り回る子供というのは私は嫌いだ。

毎年どうせ来ない市長からのメッセージ等祝文で結構だ。言う事は決まっているから。

PTA会長の話も細かすぎてあとの答辞とかぶる。別のもう少し大人らしい事をさらりと言っていただきたい。かつて出席した小学校の卒業式では、立ち居振舞いにも話にも少しも無駄や嫌みのない理想的な会長にであった。たまたまこの人の先祖が馬廻りだと知っていたからかもしれないが、その見事なまでの過不足無さはこの人の生まれた背景、この人の育ち方そのものなんだろうなと感心した。
翻って今日の会長は過剰であった。

送辞も答辞も退屈で長すぎる。在校生はずっと立っているんだから配慮すべきだ。もちろん先生の手が(殆ど全部)入っているのだろうがもうちょっと短く作らせよう。長ければ泣かせられるというものではない。気分が悪くなるだけだ。私は田舎の子供だったので、小学校と中学校で答辞も送辞も自分で作って読んだ。大体型通りだが何処かに意表をつく言葉を入れてやろうと思って作った気がする。
あとで笑い話になったって良い。最近の送辞答辞にはそういうサービス精神が全く感じられない。立っていて眠るかと思った。あとよくあるフレーズで腹がたつのは「私をこれまで大切に育ててくれたお父さんお母さん…」
結婚式じゃないんだからやめよう。お父さんお母さんいない子も、大切に育てられてない子も色々いて、彼らを代表する答辞なのだから、もうちょっと普遍的に妥当なものにしたら良いと思う。


さて、長い長い式を見事耐え抜いたわがクラスの一年生(と私)は、3年が涙の?学活をしている間、邪魔をしたらいけないというi先生の命令で別室に詰め込まれた。そこでトランプをやって盛り上がり今日一番楽しかったわけだが、考えてみれば私は昨日の朝会ったきりクラスの3年にまともに会っていない。

一年生のお守りを任されたから仕方ないが、ちょっと話や握手くらいしたかった。もちろんi先生からはその件で「申し訳ないですね」の一言も無い。


さて帰ろうと車に乗り、電話に着信があったのを知る。私が座敷牢でダウト!とか興じていた頃、家では心臓病を患っていたテルという猫がロベスの膝で最後の長い息を引き取ったのであった。テルは約15歳。黒っぽい灰色のフカフカした毛の立派な猫だった。子猫の頃、いったん近所の家に貰われて行ったが、泣き止まないので翌日返された出戻りである。せっかくその家の男の子が「こいつカッコいい!」と気に入ってくれたのに。

その後、他の猫とそりが合わず家の中の暗がりで引きこもって暮らす。最近病気になり、こたつの中に入れてやるようになった。オムツをしてロベスの膝に抱かれたり、神楽君に鼻水を拭いてもらったり、多分今までで一番幸せだったのではないか。出戻らなければ、最初からこういう風に大切にされたかもしれないのだが。

ちなみにテルとはこいつが生まれた頃人気があったバンドのボーカリストの名前である。無駄にカッコいい、というので冗談のようにつけられた名前だった。

引きこもらせず、もっと早くから大切にしてやれば、病気にもならなかったかもしれない。14や15歳の人間達が卒業した今日、推定15歳の立派な毛皮のテルは何処かに旅だった。

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