02/27の日記

15:13
「と、さんざん語り聞かせた。」改
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余ハシラクサの王、ディオニスである。我が民ハあることを恐れ道すれ違う人の顔も見ず、…(略)あることというハ余が乱心なり。いや乱心でハない。余ハただ人の心がわかるのだ。…余ハ知った。この世には信じおけるべき者ハ一切いないのだ。…あのメロスという男もそのような者の一人に過ぎない。…だがもしあの男が約束を守って戻って来るとするならバ、あの男が川を渡ろうとするも我姿を変え濁流となって奴を拒み、もしあの男が悠々と道を急がんとすれバ我自ら山賊となって奴の脚をもぎ取らんものを。もしあの男が「今こそあの暴君正さん」というならバ我生き霊となって奴が王道迷わせて、人の偽り事の多きほどをしろしめるべし。まあ、あの男の来ないのが当然、友を裏切るが当然、命おしむが当然、人質が死ぬが当然。ディオニスハさんざんセリヌンティウスに言い聞かせた。


以上は神楽君が国語の時間に『走れメロス』の登場人物の一人になって独白せよ、みたいな課題で作った文章である。怪しげな日本語で、いかにも神楽らしくて笑ってしまった。しかもわざわざ書体を怪しげな行書にしているあたり、国語権力への反抗か!とまたまた笑えるのであった。点は「27」と赤い字で書いてあるが何点満点か知らない。大体国語の成績は芳しくない神楽君である。


権力への反抗と言えば私は昔、お巡りさんから言われた事があった。「それはお前!権力への反抗かっ!」
否、ただの時間かせぎだったのだが。

昨日わがO中学校でガッカリした事があった。あそこでは最近ヤンキー少年(いや、ただのだらしないアラジンにすぎないのだが)達が職員室の窓を叩いたり、屋根の上をわざと職員室からみえるように走り回ったりしている。この前は一人が生徒指導の先生に「昨日なんで迎えに来てくれんかったんか」と凄んでいた。横で聞いていたらつまり以前他校に進入して先生が引き取りに行った。騒ぎをおこせばまた迎えに来てもらえると思って騒いだ。迎えは来なかった…

八百屋お七か? 否、そんな純粋じゃないだろう。無料タクシーと思っているんだろう。その証拠に毎晩職員室から出る先生に「送ってって」とせがんでいるようだ。

ガッカリしたのはO中学校でおそらく一番生徒の人気があり、ヤンキー達も言う事をまあまあきくK先生が「俺が送って行きます」と言って出て行ったからである。事情があったのかもしれない。家庭訪問しようと思ったのかもしれない。

昨日は雨が降っていた。カッパを忘れた者、横着で持って来なかった者は足軽の如く濡れそぼって帰って行った。そのあとチャラチャラした連中は職員室の周りにいつまでもたむろしていた。日頃から奴等は不当に特別扱いを要求し、不当に特別扱いを受けてきた。正に権力に守られたオスブタどもである。ガラスを壊してまわるとしても先生が後始末をしてくれるのだ。

どんな事情かは知らないが病気、怪我でもないなら特別扱いして送るべきではない。だからヤンキーが病気か怪我だったという答えを聞きたいのだが。K先生は話の長いO中学校の先生の中で珍しく話が短く正に話せる人なんだと思ってきた。

先行予約でガッカリしておく。私の勘違いで予約を破棄する事を祈りつつ。K先生、結局ヤンキーの機嫌をとって君臨したいだけなのか。


彼よりヘタクソで信頼は無くても、誠実でましな先生が結構いると思う。確かにヘタクソなのは大問題だが、ここは1つ先生は皆、ちょっとヘタクソになるしかないのではないか。ヤンキーと数人のヒーロー先生が面白い見世物を披露して、生徒が観客になっていてはまずい。学校は生徒全員がヒーロー、ヒロインになるべき場所だろう。濡れそぼって帰って行き、項垂れて登校する甘え下手で地味な生徒というのは、意外に権力への面白い反抗手段を持っていると思う。

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