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□過去と今。銀色と琥珀。
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「ガハハハ!」
「こら!まてアホ牛!」
「…はぁ…」


今日も獄寺君とランボは仲が悪い。

…あーあ、ランボがちょっと何か言うだけでいつもこうなんだよねー、とぶつぶつ呟きながら、獄寺君を見る。

…あーあ、あんなに眉間に皺寄せちゃって…折角綺麗な顔してるのにな…

…まぁ、そんな所が可愛いんだよねー、何て思ってたら…

「うわぁぁぁん!!」

…泣いちゃってるよー…

そろそろ止めよう、と視線を上げた瞬間…

ボン!!


煙が上がる…



…あれ?
「うわぁぁん!」
…ランボ…そのまま…?



「バカー!!」
…逃げた…




煙が完全に過ぎると…



銀色の髪。
碧の瞳。

…獄寺君…?

でも…


…縮んでるー!!?




「…?」
「あー…えーっと…はじめまして!沢田綱吉…って言うんだ…」
日本語通じるか分からないけど…一応自己紹介した。


故障?…十年バズーカの故障なの!?


「…此処、何処?」
「俺の…部屋…日本だよ」
日本語話せるんだ…
「…日本…」
「…うん」
そういうと小さい獄寺君(多分)は、窓に駆け寄り、外を見渡す。
「…確かに…見た事ない…こんな景色…」
「ねぇ…何て、名前?」
…うん、先ずは情報集めだよ、と心の中で決め、声をかける。
「獄寺…隼人」
「獄寺君…か…」

やっぱり…この子は獄寺君なんだ。
…過去の。


「なぁ…えー、…綱吉!…だよな?」
「…あ、うん!」
呼び捨てだー…
まぁ、やっぱり知らないしね、俺の事。

「…此処、日本…だよな?」
「え?うん、そうだけど」

「沢田…綱吉…って言うんだよな?」

もしかして…知ってる?


「うん…そう、そうだよ…?」
「十…代目?」

…知ってるんだ…?

「そう、俺…ボンゴレファミリーの十代目…になるんだ…」

ちょっと、嫌だけどと付け加えると、獄寺君は。

「…同い年だよな?」
って。
あぁ、そっか、まだ分からないよね、状況…

「此処は、ただの日本じゃないんだ、君にとっては。」
「俺に、とっては?」
「うん…此処は、」

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「君にとっての未来だから」
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