Novel

□Let's Party☆PROJECT
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――二日後。

「それじゃ一時間休憩だ!」
キャプテン・赤木の掛け声とともに、部員たちは思い思いに体育館を後にする。
三井はポカリを飲み干すとフウッと一息ついて、首から掛けたタオルで汗を拭いた。
腹はそんな減ってねぇし、もうひと頑張りするか。
壁から背を離し、ボールを手にとる。
すると前方から「ミッチー!!」と叫び声が聞こえた。
「‥桜木‥‥。その『ミッチー』てのはやめろっつってんだろ!!」
「‥ぬっ!じゃあ『女男』と『ひさちん』どっちがいいんだ!?」
「テメェは三井さんとか先輩とか普通に呼べねぇのか!」
三井は憤慨したように叫ぶが、桜木は全く気にせず続ける。
「そんなことよりミッチー。メシ食いに行くぞ!」
「あぁ!?‥なんでオレがお前とメシ食わなくちゃなんねぇんだよ?オレはもうちょいココにいるから、勝手に食いに行けよ。」
ボールをワンバウンドさせて側から離れようとする三井のTシャツの裾を、桜木はがっちりと掴んだ。
バランスを崩して三井は背中を反らす。
「‥っ!桜木、テメェどういうつもりだ!!」
「いいからつべこべ言わずついて来い!ミッチーをここから連れ出すのがこの天才・桜木の使命だからなっ!!」
「‥はぁっ??」
三井は訳が分からず眉間に皺を寄せる。
それとは対照的に、桜木は腰に手を当てハッハッハッと満面の笑みを浮かべる。‥と、桜木の赤頭にバチンッと凄い勢いでハリセンが振り下ろされた。
「‥ア、アヤコさん!イキナリ何するんスか!!」
真っ赤な頭を抱えてしゃがみ込み、上目使いで訴える。
「‥桜木花道、アンタは余計な事言わない!!」
そう桜木に放つと、彩子は三井の方に向き直った。
「先輩、桜木花道と外出るついでに、コンビニで粉末タイプのポカリ買ってきてくれませんか?調度切らしちゃって。」
「‥彩子、お前確かこの間は掃除やるなとか言ってなかったか?」
「それはそれ、これはこれですよ。ご飯食べるついでなんだからイイじゃないですか!‥ほらほら、一時間しかないんだから行った行った!!」
半ば強引とも言えるように、三井は桜木とともに体育館を追い出されてしまった。
「‥ったく。一体何なんだよ‥‥。」
三井は短く切ったばかりの頭を掻きながら、しぶしぶ桜木を連れて体育館を後にした。
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