Novel

□オレの女神サマ
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―7月31日、AM8:00。
天気は快晴。
雲一つない青空を仰ぎながら歩く。

その後方から「アヤちゃーん!」と、聞き慣れた叫び声が響いて、彩子は後ろを振り返った。

「おはよ、リョータ。」
「おはよう、アヤちゃん!!」
この真夏日の太陽の下、全速力で駆けてきたにも関わらず、宮城は息切れもせずにニカッと満面の笑みを浮かべた。
「どうしたの?今日はいつになく早いじゃない。」
左腕のスウォッチを見ながら彩子が言った。
部活開始時間ギリギリにくる宮城が、この時間に校門前にいることは珍しかった。
「‥アヤちゃん、今日って‥な、何の日か知ってる!?」
宮城が期待に輝かせた瞳を彩子に向ける。
「‥‥今日‥?」
視線を宙にさ迷わせ、しばし考え込む。
「‥あ!‥‥リョータってば、凄いじゃない!!」
彩子の言葉を聞いて、宮城は思わず身を乗り出した。
だが、続く言葉は彼が期待していたものとは掛け離れていた。
「今日はIH前最後の部活でしょ?ちゃんと意識しててエライじゃない!!」
「え‥‥」
「その調子で今日も練習頑張るわよ!」
パン!と勢いよく宮城の肩を叩くと、彩子は満面の笑顔で体育館へと歩いて行ってしまった。
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