Novel

□Let's Party☆PROJECT
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「おっ(疲れさまで)したっっ!!!」

5月20日PM7:00、湘北バスケ部の練習が終わると、三井は早々にモップ掛けを始めた。
「三井先輩!」
彩子が慌てて声を掛ける。
「掃除はあたしや1・2年がやるから大丈夫ですよ!」
「‥あぁ。」
手を止めて、三井は彩子の方を振り向いた。
「‥いいんだよ。オレが自分でやりたいだけだから。」
「でも‥。」
彩子は引き下がらない。
考えるように暫く口をつぐんだ三井だだったが、やがて彩子から視線を逸らし、目を伏せて答えた。
「‥‥今日練習してて床が滑りやすかったからな。1・2年には任せられねぇっつってんだよ。」
そう放って踵を返すと、再びモップ掛けに専念し始めた。
そんな三井の様子を見て、彩子はふぅっとため息をついた。

三井がバスケ部に復帰して約一週間。
まだ幾分ぎこちなさは残るものの、徐々にみんなに馴染んでいるように見える。
現に一番の被害者だった宮城をはじめ、桜木・流川たち問題児軍団とも、練習を重ね休憩中はふざけ合っている姿をちょくちょく見かけた。
彼らは、三井が部活中はもちろんのこと、毎朝・毎晩自主練をかかさず行っていることを知っている。
そして本人は無自覚だが、キラキラ目を輝かせながら嬉しそうにバスケに取り組む姿を見て、彼を許さずにはいられない気持ちになっていた。
現在、唯一バスケ部員で彼を許すことが出来ていないのは、三井自身だった。

「アヤちゃん!!」
聞き慣れた声に呼ばれて彩子は振り向く。
「遅くなってゴメン!コレ地区予選の用紙!!」
そう言って宮城はプリントを差し出した。
そこには身長・体重・生年月日等が書いてある。
地区予選の提出書類を記入するため、彩子が部員に配っていたものだ。
「サンキュ、リョータ!これで全員分揃ったわ。」
彩子は体育館のステージに置いてあったクリアファイルを手に取り、受け取った書類を一番後ろに入れた。
そのクリアファイルに宮城は目をとめた。
一番手前に入ってる用紙に『三井寿』と書いてある。
身長184センチか‥そういや跳び蹴りかますの結構苦労したもんなァ、と宮城はくだらないことを考えた。
そして、その下の項目を見てアレ?と思った。
「ねぇねぇ、アヤちゃん‥‥」
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