冒険の黄色いカケラ


□第一章
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スカイズ


著 リホ・フィナル・ツィンズ




見上げた空は


青だった
赤だった
黄だった
緑だった
紫だった


空を見上げて
幸せな感情を映す人は
一人とていなかった


怒り、憎しみ、恨み、いらだち


すべてはみんな『人』であり、
すべてはみんな『人間』でないがため


願いは一つだった


『人間』になること


人間のいない島
フィフスター
幻であり
実在した跡のある
『人間』になりたくて
旅に出た人々


彼らが手に入れたものは
今までの感情の上にのせられた
さらなる……


地獄、苦痛


人々の希望は絶望と化し
人々の期待はあきらめへと変わった


そして世界は
どろどろと
渦巻いていく


人々は神の存在を信じたくて
信じられなかった


神は人々の絶望の中で言った


“世界の真実を知ったとき
その者は人間になる権利がある
一つはすべての人を人間に
一つはその者だけを人間に
勇者の勇気にかかる
巨大な光に惑わされる前に……”


信じて旅立った者は裏切られた
そして悟った


世界の真実は絶望なのだ、と


そうして世界は続いていく


世界の区切りまで……


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