小説
□飛べない鳥A
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「あかん…なんやこれ。俺…きもちわるっ」
男が男を守りたくて、男に妬くて…考えられんわ。
確かに、そう思ったんはほんまやねんけど、まさか…せやかてそんなん、まるで恋愛感情みたいやん。
「俺、女おるしな…。」
正常な性癖であることは、それが証明してくれてる。
「せやけど…。」
病院で…岳人を抱きしめたんは事実。まさか抱きしめてしまうなんて、自分でも思てなかった。体が勝手に気がついたら動いてた。
「女みたいやもんなぁ、抱きしめサイズぴったりやったし…。けど、まぁ、あんな顔で笑われたらな…」
跳べないと絶望した岳人。
まるで自分の存在をなくしたみたいに…。
あほやな…跳べんくても岳人は岳人やのに。
そんな岳人を抱きしめて、俺はどうしたかったんや?
「なっ…あかん…ほんまどうかしとるわ。」