小説
□恋しいあなた
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こんな顔させたくはない…あなたは太陽のように、笑っていなければ。
けど…俺には彼を救うことはできないのだ。
「向日さ…」
せめて、髪をひとなでして慰めるくらいは許されるだろうと思った瞬間、部室のドアが開いて同時に聞こえるのは、あの聞きなれた関西弁。
「ほんま、景ちゃんはかわえぇなぁ」
「アァン?次言ったら、全力でお前という人間の存在を消すぜ?」
「こわっ!!」
最悪だ…恋人の隣に居合わせた跡部景吾という男は、彼にとって一番恋人の横にはいて欲しくない存在で、いわばライバル。
「お、なんや岳人待っててくれたん?」