小説

□そういうもの
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まるで小さい子をあやすみたいに、侑士が俺の頭を撫でると、なんだか安心してきて…不安に思ってたことが、するりと口から滑りだした。

「なんで、侑士は俺なの?」
「は?」

本当に、びっくりした声を出すから、なんかこっちまでびっくりしてしまう。

「ずっと思ってたんだよなっ!!あんなに可愛い女の子が、たくさんいんのに、侑士はなんで俺なわけ?」

「ふっ…岳人、それ本気で言うとるん?」
ふふっと、笑いながら侑士は俺の首もとに顔を埋めた。
「な、なんだよっ!!マジわかんないんだって!!」
「…俺が好きなんは岳人だけやで…」
耳元で囁かれて、そこから体が熱くなっていく感じがした。
「ゆ、…しぃ」
「愛してる…。」
声だけで、こんなに欲情するなんて…恥ずかしい。
「他の女なんか、岳人に比べたら空気みたいなもんや。俺の目には、お前しかうつらへん。」
あ…そうか。
俺はこれが欲しかったんだ。


「愛してるで」
「お、俺も…」

唇が触れ合う。初めは軽く、だんだん深く。
「んっ…ふぅ、ぁ」
侑士の眼鏡があたって、ちょっと痛い…それに気づいたのか侑士が俺の手をとって
「はずしてくれん?」
と甘い声で囁いた。
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