小説

□そういうもの
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学校帰り
侑士の部屋に寄って帰ると
発情した侑士がベッドに俺を押し倒す。

でも俺ん中には
さっきからのモヤモヤが
渦巻いてて、どうにもそんな気にはなれない。

「…なぁ、侑士」

唇が、あと数センチで届きそうになるのを手で止めると、侑士は首を傾げる

「あのさ…っぁ」

聞こうってした瞬間、手のひらを舐められて変な声だしちまった。
「岳人、どないしたん?今日ちょっと変やで?」
そう言いながら、手にいっぱいキスを落とす侑士。
「あ、…っちょ…」
話したいのに体が反応しちゃって話せない。クスッと侑士が笑うのが見えて、なんだか泣きたくなってきた。

「っ!?すまんっ…岳人っ!!嫌やった?」
「ふぇ…っ…ぅ」
泣きたくなったら、涙が止まらなくて。突然だったから、侑士は慌て俺を抱きしめて謝りはじめた。
「だってぇ…ゆ、しぃ、なんで?」
「ごめんごめんっ!せやな、ちゃんと岳人の話し聞かなな?」

どうやら、侑士は俺が泣いてる理由を『話を聞かなかったから』だと思ってるみたいだけど。

「ちが…う。」
「ん?」
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