小説
□愛のコマンド
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どこにいても、何をしてても
君のことを想ってるよ。
愛のコマンド
「お誕生日おめでとう、岳人愛してるで。」
「あ、あ…ありがと。」
今日は愛しい恋人の誕生日。
今年は平日やから、夜しか一緒におれへんなぁ。
そう愚痴ると、岳人は『いっつも一緒にいるじゃんか。』と笑った。
せやねんけどね…、やっぱ今日って特別な日やん? 岳人にとっても、俺にとっても。
だから本当は、もっと一日中抱きしめてキスして…岳人を感じたかった。
そんなん言うたら、また重いとか言われてしまうので言わずに心にしまっておくんですけどね。
でも体は我慢でけへんので学校から俺の家に直帰してからは、ずーーっと岳人にくっついとった。それは今も継続中。
「う〜、てか愛してるとかさ、よく真顔で言えるよな。マジ聞かされるこっちが照れる…。」
顔を赤くしながら、岳人が俯く。
後ろから抱き締めていた俺は、これ見よがしに耳元で何回も『愛してる』と囁いてみる。
「ちょ…やめ、やめっ…!」
首を嫌々と横に振る仕草さえも可愛くて、これは一種の病なんやないかと思うほどに、岳人が愛しくなる。
頬や、首もとに唇を落として擦り寄ると岳人の手が俺の頭に伸びてきた。
「なんだよ…お前甘えたいの? 俺の誕生日なのに。」
そう微笑んで首を傾げてる様子を見て、俺のスイッチはしっかりON状態になりました。