小説
□飛べない鳥J
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侑士がむちゃくちゃにしてくれたお陰で、気を失っていた俺はとても懐かしい夢を見ていた。
侑士と初めて会った日の思い出。桜が舞い散る季節、屋上で侑士と出会った。
一目惚れだったんだ。
なんて綺麗な顔した奴なんだって思ったんだぜ。
たまたま同じテニス部でダブルスのパートナーというポジションを勝ち取ったけど、恋人にはなれないって、諦めてた。俺男だし。
侑士には彼女がずーっといたしさ。
けど侑士の第一優先事項はテニスで、そのパートナーの俺は彼女よりも侑士の特別なんじゃないかって、どこかでそんな都合のいいことを思ってた。
事実、侑士は彼女をコロコロ変えてたけどダブルスのパートナーを進んで変えたいっていうことなんてなかったから。