小説
□飛べない鳥F
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「なぁ、軽く打ってみぃひん?」
突然、目の前に差し出されたラケット、そしてニッコリ微笑む侑士。
受け取りたい。
テニスがしたい…。
侑士と、テニスしたい。
俯いた視界に入るのは、サポーターの巻かれた膝。現実は、上手くいくもんじゃないってのは本当だよな。
「サポーターしとるんやし、ちょっとくらい平気やろ?」
首を横に振ろうとした瞬間、それを遮るように侑士が俺の手をひく。
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