小説

□飛べない鳥@
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飛べない俺なんか
いらない。



それは練習中の些細な事故。
いつもみたいに高くジャンプした瞬間、強い風に煽られて隣にあった壁打ち用の壁に足をぶつけてしまったのがことの発端。
半ズボンだったせいで、足の側面を激しく擦りむいてしまったけど、そんなに痛くはなかった。

本人は平気だつってんのに、周りはオロオロし始めて、特に侑士は、まるで自分のことみたいにさ。
『あ〜っ!!岳人の足がぁ〜っ!!お嫁にいけんくなる〜っ!!』

心配してくれてんのかと思ったけど、なんか…ムカつく。
『嫁になんかいかねぇっ!!てかマジ平気だって。早く練習しよーぜっ!!』

もう一度、飛び跳ねようとした俺をレギュラー全員が止めて、あっという間に保健室までかつぎ込まれてしまった。
『ほんと…こいつら心配しすぎだし。』
それは俺を鬱陶しくも、どこか嬉しいというより、むず痒いような気分にさせる。
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