曖昧な力

□第一章@
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 昔とある学者に聴いた話しによれば,並行世界とはあくまでも根別れした世界であり,別々の世界でもなければまして同じならびにある世界ではないと言う。
 別にそんな話しには興味も無かったし生きるのに必要な知識でも無かったのであまり深くは覚えていない。だがその生きるのに普通なら必要ではない知識も。墓穴掘りまくりな人生を送ってきた男には必要だったのではなかろうか。
 そう取り留めも無く考えていた。
 「しかし……意外と冷静でいられるもんだな」
 もしくはただの現実逃避かもしれないがと,口の中で呟き直ぐにその考えを捨てた。
「O.K.……冷静に…クールに対応しよう…先ずここは何処だ?」
 辺りを見渡す。先ずは上,うん…綺麗な青空だ。続いて左右,奥が暗く見える程の樹海。次に前後,これまた樹海だが後ろからは川の流れる音と獣の鳴き声が聞こえる。
 「O.K.了解……なら次に何故俺がこんな所に?」
 良く思い出してみようと試みる。
 確か機能は[ゴジラ]のDVDを見てから眠りに付いた筈だ。
 更に言えば寝たのはキチンとしたベッドであって,こんなワケのわからない樹海では無かった。 「なる程なる程…じゃあここはどこ何だぁ!!」
 話は少し遡る
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