呪われた黄金


フレイドマルという男には、オッタル、ファーヴニル、レギンという三人の息子がいました。オッタルは、川獺(かわうそ)に変化(へんげ)するのが得意で、よくその姿で川で魚を捕っていました。
 そんなある日、旅をしていたオーディンとロキとヘーニルという神が、このオッタルが化けていた川獺を、石で撃ち殺して毛皮を剥いでしまいました。
 それを知り、怒ったフレイドマルたちはオーディンたちを捕らえ、賠償として莫大な金品を要求しました。そのためロキは、アンドヴァリという矮孺(おそらくドワーフ)を捕らえ、彼が持っていた全ての黄金と宝物を脅し取りました。当たり前のことですが、それを恨みに思ったアンドヴァリは、この黄金を所有するものは非業の死を遂げる、という呪いをかけて、どこかに逃げていってしまいました。
 神々は、黄金をフレイドマルに差し出し、ようやく解放されましたが、宝物を独り占めにしたフレイドマルは、欲に目のくらんだファーヴニルに刺し殺されました。そして、父親から全ての財宝を奪ったファーヴフニルは、レギンには一切の分け前を寄越すこともなく、恐ろしい竜に変化(へんげ)して、黄金を守り続けることになったのです。

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