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□手紙お手紙
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朝、いつものように下駄箱で靴を履きかえようとして手が止まった。
上履きの上に可愛い封筒が置かれている。
下駄箱を確認してみたけど私の下駄箱に違いない。
ま、…さかラ、ラブレター!?
……じゃない気がする
根拠はないけど違う気がする。
イタズラかな?
そう思いながら封筒をカバンに入れて教室に入った。
昼休み
そっとカバンから取り出した封筒をポケットに忍ばせ、人気のない場所を探してウロウロ。
やっと見つけたその場所でポケットから出した封筒を見つめる。
ファンシーなクマがピクニックにいく様子が描かれた封筒は、男の子より女の子が使いそうな封筒。
イタズラの線が濃くなったのを感じながら、手紙の付属品であろうランチボックスがプリントしてあるシールでされた封を剥がす。
中には手紙が一枚。
色んな意味でドキドキしながら手紙を開いた。
明日の日にちと時間と場所が書いてあって
それ以外は
【絶対来てね
じゃないと殺しちゃうぞ。
神威】
………脅迫状!?
これ脅迫状だよね!?
来ないと殺すって、脅迫状以外の何物でもないよね!?
私 脅迫状送られるようなことした?
この神威って人に。
知らないうちに誰かの恨みをかっていたとは思わなかった。
神威………私の知り合いに該当する人はいない。
名前からするに男性かな。
でもどうしよう
本音は怖いし行きたくない、なんだけど
行かないと何をされるか…。
私は頭を振った。
行って何かをされると決まったわけじゃない。
もしかしたら、この前 拾って交番に届けたIC乗車券(Suicaみたいなの)の持ち主かもしれない。
その場合、こんな回りくどいことしないか……。
それに脅迫状に似せたイタズラの線が消えたわけじゃないし……。
‐‐‐
昨日と今日悩んだ。
悩んだ末 行くことにした。
もし私が何かしていたなら謝ろう
謝罪で済むなら警察いらない
という言葉があるけど、とにかく謝ろう。
放課後になってしまった。
家には帰らず、そのまま指定された空き地に向かう。
何かあったときのことを考えて手紙をもらったとこから、今日 会いに行く、ということを詳細に書いた手紙を机の引き出しに入れてきた。
空き地に着いたのに誰もいない。
待ち合わせ時間になっても誰も来ない、
さらに待ち合わせ時間から二分過ぎた。
誰もこない、やっぱりイタズラだったんだ。
かなり気楽になって、あと五分待って誰もこなかったら帰ることにした。
結局五分たっても誰も来ず 足取り軽く帰った。