□冥姫 第五十話
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「もしかしたら辻斬りとか始めちゃったりして」


言ってダハハと笑う近藤さんの笑いはすぐ止まった。


沖田さんが解剖室の前の廊下を通るのが見えたから。

ただ…お尻に刀を刺したままの坂田さんらしき人を連れていた。


「土方さん、すみません これバラす場所がいるんで部屋借ります」


通りすがりついでといった様子で土方さんに一声かけていった。


「えっ………と、………美月ちゃん……今の何」

「坂田さんじゃないですか」

「俺の部屋でバラすってバラバラと暴露どっち!?」

「暴露の意味だとさっきの言い方は変ですよね」


二人は変わっていた顔色のまま沖田さんを追っていった。

一人取り残された私は取り敢えず解剖室を出て
土方さんの部屋に足を向ける。


「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」


いきなり叫び声が聞こえてきて直ぐさま駆け出した。


絶え間なく聞こえてくる声は土方さんの部屋が近づくほど大きくなる。


?声が止んだ。


土方さんの部屋の前で固まっている近藤さんと土方さん。


いったい何があったのか。


「いったい中で何が───」


ギギギという音がしそうな動作でこちらを向いた二人は白目で、思わず言葉が止まる。


視線を向けてくるだけで喋ろうとしない二人。


「……あの……中……確認していいですか」

「「ダメだ」」


白目から回復した二人に止められた。

その後すぐに新八君と神楽ちゃんと刀鍛冶屋の鉄子さんが屯所に来て、沖田さんが話している。


皆さん気になるらしく、聞き耳をたてているので交ぜてもらう。


坂田さんのお尻に刺さっていた刀はエクスカリバーで生きている

生きた刀はクサナギさんという名前で、生き別れになった自身の鞘であり奥さんの鞘子さんを探しに地球にきた

そしたら沖田さんの鞘が奥さんだったけど、奥さんは知らないと言っている。


エクスカリバーのことがよく分からなかったけど、大体の事情は分かった。


沖田さんが坂田さんに帰ってほしいと言い終わる前に、二人が障子を吹き飛しながら飛び出してきた。


状況判断からすると、坂田さんが沖田さんに斬り掛かってきたようだ。


二人はそのまま庭に着地。


「どういうつもりですか、旦那」

「このままオメオメと帰れるか」


新八君や近藤さんが止めようとするも、耳を貸そうとしない坂田さん
反対に沖田さんは刀を収める。


しかし


「その鞘を賭けて真剣勝負しようじゃねーか」


坂田さんが決闘を申し込んできた。


「そいつぁ真剣を使った斬り合いってことですよね」


沖田さんだけ乗り気。


焦る近藤さんとは対照的に、土方さんは冷静だ


「私闘は局中法度だぞ」


なのに坂田さんが土方さんとの私闘を微闘発言したことにより、すっかり乗り気になって日取りと場所まで決めてしまった。

 
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