□冥姫 第四十九話
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市中見回りしていたら、真ん中の辺りが破壊された橋があった。


すでに一般の警察がきて橋を封鎖して調査を始めている。

テロ?


真選組の制服を着た私に興奮した様子の目撃者から情報提供があった。


話を纏めると
橋の上でローブを被った三〜四人の怪しい集団が騒いでいたら二人組が来て、大砲で集団の一人を爆破。
そうしたら大きな光が橋を真っ二つにした。


?最後の大きな光が分からない。

新型の兵器だろうか。

見回りに戻ったが犯人に遭遇することもなく、屯所に帰宅した。




土方さんから緊急召集がかけられた。


部屋に集まると居るのは土方さんだけで近藤さんの姿が見えない。


何か近藤さんに知られてはいけないことなのかも。


土方さんが話し始めた。

星間波動ビーム砲、
毘夷夢星(びいむせい)というビーム砲製造に秀でている星が作る兵器

手にあまる兵器だから製造輸出共に禁止する法案を地球が提案
惑星同盟で可決がかたいといわれている。


しかし毘夷夢星の奴らが黙っていなかった。


法案を取り下げなければ地球に送り込んだ時限起動型星間波動ビーム砲を発射することになる
しかも照準は銀河惑星同盟の星々、

つまり地球が銀河中に戦争をけしかけたことになってしまう。


あまりの事態に部屋の中は静まり返る。


「いいか、何が何でも阻止しろ!」


私や隊士さんたちは自然と切迫した顔になり、「はい」と答えた。



それからは隊士さんたちは走り回っている。


本来なら近藤さんこそが発表するような内容だったのに未だ姿すら見せてない。

またキャバクラに行ってるのかな。


知ってそうなのはやっぱり土方さん。


「土方さん、近藤さんはどこにいるんですか」

「どこほっつき歩いてんだか、まだ帰ってきてねえ」



結局 近藤さんが帰ってきたのは夜が明けた早朝だった。


「近藤さんが帰ってきたって聞いたんですけど、どこにいるんですか」


相変わらず姿が見えない。


「さっき帰ってきて自室に籠もっているそうだ」


自室に籠もっている?

こういうときは近藤さんが表に立たないといけないのに…。


何かあったのかな…、気になる。


報告に行くという土方さんと沖田さんと一緒に近藤さんの部屋にいくと
近藤さんは布団の上で膝を立てて座り、頭から掛布団をかぶっていた。


「今 大変なことがあってな、阻止できなかったら地球は十中八九終わるぞ」

「………へェ
終わってもいいんじゃないの
俺も終わったし
俺ってか俺の恋が終わったし
むしろ何もかも終わればいいし」


声に抑揚がほとんど無い。

またお妙さんに手酷く振られたらしい。

 
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