□冥姫 第四十七話 後編
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夜でも浮かび上がる その白色。


「こんばんは」


佐々木を筆頭に見廻組が現れた。


「てめえ!」

「お久しぶりです」

「生きてやがったのか」

「毒を抜くのに少々手間どってしまいましてね」


佐々木が来たとたん土方さんは僅かに不機嫌になった、
言葉の端々にそれが現れている。


代表者として近藤さんが一歩 歩み出た。


「佐々木殿」

「時間がないので単刀直入に言います
共同戦線といきましょう

もちろんあなた方にも私達にも拒否権はありません

なんせ将軍様のご命令ですからね」

「将軍様だと!?」

「独自に調査し、全てを知った将軍様は定々を国賊として捕らえることにしたのです
将軍様は現在 援軍を召集しておられます」


大きな爆発音がした
音が聞こえてきた方角、天守閣の一階辺りから煙があがっている。

誰がやったかはよく分かる。


「もう時間がありません、急ぎましょう
我々は城内に向かいますので外はお願いします」


言うだけ言って見廻組は足早に行ってしまった。


土方さんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。


私的には手なんか組みたくない
でも将軍様のご命令には従うしかない。


「トシ」

「分かってる、てめーら行くぞ!」


おー!!と声があがった。



天守閣の前には人だかりが出来ていた。

一点を中心に円形に武器をもった役人達で人だかりができていた。


中心には新八君、神楽ちゃん、六転さんがいる。


今まさに取り押さえられようとしている。


この人たちは命令され、自分達の職務を果たそうとしているだけ
命をとるようなことはせず気絶してもらった。


「こんばんは、お巡りさんです」


その証として近藤さんが警察手帳を見せた。


「何やってんだてめーら
てめーらがそのザマだと俺達の首まで飛んじまうだろーがよォ」


近藤さんの言葉を聞きながら、新八君達の安否を確認していて気がついた。


……あったはずの六転さんの右腕が…無くなって………。


餓鬼にも劣る外道が!


「定々……!」


思わず言葉が漏れてしまった。

小声だったけど近くにいた人の耳には届いたかもしれない。


「貴様らは真選組!」

「きっ、貴様ら殿中警護を与(あずか)っておきながら賊に加担するつもりか逆臣ども!!」


何も知らない人がみたら、そう見えるだろう。

 
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