□冥姫 第四十七話 前編
1ページ/6ページ




現在 江戸城は厳戒体制 真っ只中。


何者かによって幕府要人の襲撃、暗殺が横行しているからだ。


ここまで幕府要人の暗殺が横行するのって何十年も前にあった暗殺事件以来じゃないかな。


そんな中 城内の警護に任命されたのは見廻組。

真選組はいつも通り市中の警護。



それもさっきまでの話。


急遽 真選組に殿中警護の任がくだされた。


江戸城に着いた頃 太陽は夕日になっていた。


到着と同時に各自の持ち場が発表され 隊士さん達はそれぞれ持ち場に移動していく。


私は詳しい話を聞くため土方さんの傍に行く。

私が土方さんに話し掛けようとしたところで、お爺さんがやってきた。


「私は姫様の傍仕えの六転舞蔵(ろってんまいぞう)と申す
姫様の夜間の護衛についてお話が」


ちょっとした諸注意を受けた。


「では私はこれで、くれぐれも頼みましたぞ」

「はい」


六転さんの後ろ姿を盗み見た。

左腕の第二関節から下がない。


「あの腕は定々公を身を挺(てい)して護ったからだと」


私の視線の先に気がついたらしい土方さんが耳元でコソッと教えてくれた。



ここに来る前
詳しい話はあとでする、と土方さんが言っていた

なので、ついさっき聞き始めたところだ。


「え…!?」

「しょ、将軍暗殺ぅ!?」

「デッケー声で言うな
宮中みたいに静かに驚けよ」


土方さんの話を近藤さんと歩きながら聞いていたのだが近藤さんが大きな声をだしながら驚いた。


「でも暗殺は未遂で終わったんですよね?」


未遂じゃなかったら、もの凄い騒ぎになっているはず。


「未遂とはいえ賊が侵入したこと、さらに上様の御身を危険に晒したことに代わりはない。

事は幕府の信用にも関わる、情報は機密にして絶対に洩れないようにしろってよ」

「それで上様は!?
ご無事なのか?」

「命には心配ない
気は失っていたらしいが定々公が賊に水際で気が付いたとか」


定々公といえば十三代目将軍
現将軍様の相談役

天人との外交や開国を押し進め、幕府を維持したことで有名。


「だが代わりってわけじゃねーが佐々木がやられた」

「!」

「二天の佐々木…局長が!?」


土方さんの言葉に近藤さんも私も驚いた。

さらに私は佐々木を呼び捨てにするところだった。

どこで誰が聞いてるか分からないから気をつけないと。


「まあ無事だったとしても失態の内容が内容だからな奴の首は飛んでいただろう

見廻組は即解任、お取潰しも確実だろうよ。

おかげで俺達ゃ後任(おこぼれ)に預かれたってワケさ
見回組(やつら)が消えたのは結構だがね」


何かしら含みのある言い方で話を締め括る。

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ