□冥姫 第四十五話 後編
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呑気に携帯で通話している佐々木に白い隊長服をきた男性………あれは…土方さん!?


後ろから佐々木に刀の切っ先を向けている白い隊服は近藤さんと山崎さん!?


「恐らく見廻組に成り済まし
だまし討ちを仕掛けヘリからの銃撃を使って同士討ちさせたのでしょう

しかし証拠もない隔離空間で起こったこと、査問委員会にかけても言い逃れされる恐れがあります」


土方さんが報告するように佐々木に話し掛けた。


「さらに此度の私闘、先に挑発してきたのは真選組(あちら)とはいえ、先に手をだしたのは見廻組(こちら)
我々も責任を問われるのは避けられません」


山崎さんの台詞を聞いて合点がいった。

なるほど警告か。


「事件は解決、手柄はおきざり
今回の件は痛み分けということにしてお互い不問にしては?

なんなら真選組(あちら)の意見を聞いてみてはいかがでしょう」


黒い隊服を着ている私に、近藤さんが答えを促す。

近藤さんが手柄をくれてやると言うなら従うしかない。


「真選組(うち)はそれでいいですよ」


にーっこり笑う。


「ああ言っていることですし
いかがでしょうか局長」


土方さんの問い掛け。


携帯を耳にあてたまま佐々木が口を開く。


「浪士達を捕縛してきなさい
人質はくれてやりましょう
事件は無事解決しました」

「迅速な決断 感謝いたしますよ局長」


言いながら土方さんが佐々木の肩をポンと叩いた。


「これからも江戸の治安を護る者どうし頑張っていきましょう」

「ええ。
せいぜい気をつけますよ
エリートの足枷にならないように」


ここで終わると思った土方さんと佐々木の会話。


「御謙遜を、あなたたちは立派なエリートですよ
悪ガキのエリートだ」


背に佐々木の台詞を受け、真選組は引き上げるため全員パトカーに戻る。


「それにしてもこれで見廻組の評判はうなぎ昇り
おいしいとこ全部もってかれました」


山崎さんの言い分も分かる。


「でも栄枯盛衰という言葉があるように栄え続けることはないですよ。

それに評判が上がったことで失敗したときの点数が辛くなったのも事実。
上がった分だけ下がり幅も大きくなりましたよ」

「宮中が言うようにそう悪いことばっかじゃねーよ
なんせこっちは」


土方さんがパトカーのドアを開けながら話を続ける。


「超大物のホシあげたんだ
なァ白夜叉殿」


手錠をかけられた坂田さんが座っていた。

 
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