□冥姫 第四十五話 後編
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敵に縄でグルグル巻きにされていた佐々木さんが電話を掛けられるはずがない、
敵かもしれないので慎重に通話ボタンを押して電話にでた。


「はい」

「もしもし美月ちゃん、俺だよ俺」

「振込め詐欺みたいな応答はやめてください坂田さん、
…どうして坂田さんが佐々木さんの携帯から掛けてるんですか」

「美月ちゃんの番号が分からないから借りた。

それより時間がないから完結に言う」


坂田さんは佐々木の依頼でスパイをやっている。
佐々木さんを落とすからしっかりキャッチしてくれ、と言って電話は切れた。


手早く二人に坂田さんから聞いた話を伝え、それぞれ配置に付く。


下で派手な音がしたあと上が騒がしくなった
見廻組が突入したのだろう。


いつきてもキャッチできるよう私と山崎さんは神経を尖らせる。


土方さんが階段を上っていくのを遠目で確認したあとヘリと思わしき音が響く。


少しして佐々木さんの悲鳴が聞こえた。

くる!


山崎さんが縛られていた佐々木さんの縄を掴み、私も引き上げを手伝う。


「ホントに殺る奴があるかァァァァァ!!」

「お前が殺れっていったんだろうがァァァァァ!!」


キャッチしたあと土方さんと坂田さんの叫び声のような大声が聞こえてきた。


「近藤さん!」

「人質確保!!」


近藤さんがバズーカを構える。


「よくここまで我慢したな
もう耐える必要ねェ
好きなだけ大暴れしてやれェェ!!
悪(バラ)ガキども!!」


近藤さんの言葉は二人に届いただろう

いっそう大きな音がした。

その音を合図のように近藤さんがバズーカを打ち込む、二人なら爆煙を利用して巧くやるだろう。


佐々木さんを完全に引き上げ、縄を斬ったあとやること

チェケラ党の捕縛。


それぞれ場所を決めて散った。


私は佐々木さんをビルの外まで送り届け、ビル内にトンボ返り。


何人か逃げてきたのと出くわしたので蹴りで仕留め 耳を澄ます、
上の喧騒はすっかりなくなっている、ほとんど終わったらしい。


でもまだ終わってない、やっかいなエリートの頭が残っている。


チェケラはやってきた真選組の隊士さんに任せてビルの裏口から外に向かう。


ドゴォォォン


正面の出入口付近から爆発した音が響く。

たぶんヘリだろうな。


ゴゴゴゴゴ


裏口から出た次の瞬間
爆音とは違う轟(ごう)音が轟(とどろ)く。

ビルが砂の城のように崩れていく。


次は何?
辺りを見回し、数秒待っても何も起こらないようなのでビルの正面側に回り込んだ。


正面側には、やっかいな頭の佐々木がいた
取り敢えず近づく。

 
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