マダムが帰ったあと、
子供の頭を撫でるみたいに土方さんが私の頭を撫でている。
−−−
「宮中、見回り行くぞ」
「はい」
今日は土方さんと沖田さんと私でパトカーに乗って見回りすることになっている。
運転は沖田さん、助手席には土方さん、私は後部座席、このメンバーだと大体これが定例。
事件があったけどパトカーは気付かずに行ってしまいました、
などということがあってはいけないので常に車外に気を向けた。
パトカーに衝撃が走る。
…人…が…いたような………。
衝撃と共にパトカーは停まった。
「お巡りさん、助けてください、変な人がいるんです」
車外から女性が助けを求めてきた、変質者のホストがでたと訴えている。
パトカーの窓を開け土方がなんのツミだと問う。
「そーです、私が変なホストさんです」
ホスト本人が変質者ということを自供したので現行犯で逮捕したんだけど………
主犯は…近藤さん、坂田さん、
仲間として新八君、神楽ちゃん、お妙さん、裸でグラサンの人を逮捕することになってしまった。
「違う、俺たちは頼まれただけだ
美月ちゃんは信じてくれるよね」
「でもさっき自供してましたよね」
「あれは話のノリだよ」
坂田さんの話は一旦置いておいて、どう考えても冤罪の神楽ちゃんとお妙さんと新八君に声を掛ける。
「ごめんなさい、容疑が晴れればすぐに解放しますから」
「頼まれたとはいえ、誤解されるようなことをしたのは事実だから仕方ないわ」
「そうヨ」
「美月さんが分かってくれててよかったです」
とにかく誤解だ、と坂田さんが主張するので頼んだ相手のいる高天原というホストクラブに全員を連れていった。
お店の経営者兼ホスト、本城 狂死郎さんは不本意そうにしている
お客さんを連れてくるのが本来の目的だったそうだ。
店長さんの話を聞いて土方さんが坂田さんに近藤さんを巻き込むなと文句を言う。
「俺はホストカーとして下積みからやり直す
お妙さんへの愛の証明のために地位も名誉も捨てる」
ムチャクチャなことを言い出した。
近藤さんの話を軽く流し、土方さんが近藤さんを連れていこうとする。
「ちょっと待ってもらえますか」
店長さんが呼び止めてきた。
近藤さんを踏み越え、土方さんと沖田さんをマジマジ見たかと思うとホストとしてスカウトしてきた。