□冥姫 第三十九話
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「近藤さんですか、僕は見てないですね」

「そう、ありがとう」


新八君も知らないとなるとお妙さんに直接聞くしかないか。


「あのっ僕もお聞きしたいことがあるんです
銀さん見ませんでしたか?」

「坂田さん?見てないけど……
何かあったの?」

「昨日、ネコを捕獲中に突然いなくなってから帰ってこないんです」


聞けば、酔っていても家には必ず帰ってくるそうだ。


出来れば情報提供してあげたいけど、無いからできない。


「ごめんね、役に立てなくて」

「いえ、いいんです」

「会ったら早く帰るように伝えとくから」

「お願いします、僕も近藤さんに会ったら美月さんが捜してたって伝えておきます」


ありがとう またね、と言って別れた。


近藤さんと坂田さんを気にかけながら見回りしていたら

白ネコと、首にスカーフ巻いた黒ネコとゴリラが戯れて?いた。


犬をつれたチンパンジーなら見たことあるけど
ネコとゴリラは初めてだ。

テレビのロケかな?


三匹が一斉(いっせい)にある方を見る、

何があるのか、そちらを見るとベンチに座っている沖田さんがいた。


三匹をチラチラ見て、顔を赤らめている

…ちょっと…可愛いかも。

もしかしてネコ好き?


沖田さんが懐(ふところ)から真選組ソーセージを取り出し三匹に見せる。


白ネコが行ったぁ!

次に行ったのは黒ネコ

最後はゴリラも参戦して大乱闘。


………?なんで沖田さんが自分でソーセージを食べてるの?


「え?何やってんの?」


悪い人のような顔で そう言うと三匹を写メに撮り、去っていく。


…うわー…三匹をからかっただけだ

あんなことしないで普通にあげればいいのに……。


三匹がもの凄く怒ってる

今にも飛び掛かっていきそうな勢い。


?三匹が何かに気づいたように反対方向を見る

つられるようにそちらを見ると
土方さんがベンチに座っていた。


三匹をチラチラ見て懐からマヨネーズを取り出す。


…まさか……。


そのまさかだった。

マネしてる!?
沖田さんのマネしてるよ
マヨネーズで!


白ネコが行ったと同時にマヨを飲んだ。


「え?何やってんの?」


沖田さんと同じことを言い、同じように去っていく。


白ネコが怒って飛び掛かりそうなのをゴリラが押さえている…ように見える。

 
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